GMO即レスAI

2026-08-31

【AI博覧会 Summer 2026 登壇レポート】成果が出るAIエージェントの導入|業務自動化事例紹介

【AI博覧会 Summer 2026 登壇レポート】成果が出るAIエージェントの導入|業務自動化事例紹介

2026年8月27日(木)、新宿住友ビル 三角広場で開催された「AI博覧会 Summer 2026」のカンファレンスに、GMO即レスAIチームの西 涼那が登壇しました。「AIを導入したが使われていない」「単発で試したまま止まっている」——多くの企業が直面するこうした課題に対し、GMOペパボ自身がグループ11サービスの問い合わせをAI化してきた実践知をもとに、成果を分ける3つの分岐点と、現場で動いている自動化事例をお話ししました。

開催概要

項目詳細
イベント名AI博覧会 Summer 2026
セッションタイトル成果が出るAIエージェントの導入|業務自動化事例紹介
開催日時2026年8月27日(木)12:20〜13:00
会場新宿住友ビル 三角広場(A会場)
形式カンファレンス登壇
登壇者西 涼那(GMOペパボ株式会社 事業開発部 即レスAIチーム)

登壇者紹介

西 涼那(にし すずな)
GMOペパボ株式会社 事業開発部 即レスAIチーム

GMOペパボ株式会社にて、AIチャットボット/AIエージェント「GMO即レスAI」の営業・導入支援を担当。中小〜中堅企業のカスタマーサポート効率化に向けて、数多くの商談・デモ・運用フォローを手がける。カスタマーサポート出身として、現場目線で企業のAI活用の「はじめの一歩」を後押ししています。

「売るだけのサービスではない」——自社での全社AI化が出発点

講演の前半では、GMO即レスAIが生まれた背景をお話ししました。

GMOペパボはグループ11サービスの問い合わせ対応をAI化しました。もともとは電話・メール・有人チャットでカスタマーサポートが個別に対応していましたが、全社プロジェクトとして一気に舵を切っています。意思決定は一気に、展開は1サービスずつ段階的に、という進め方です。

結果として起きた変化は次のとおりです。

  • お客様側 — チャットボットにより、時間を選ばず問い合わせできるようになった
  • 有人対応側 — 有人でしか対応できない、精査された問い合わせだけが集まるようになり、対応コストと時間を大幅に削減
  • 人材側 — 時間の余裕が生まれたカスタマーサポートのスタッフが、営業やディレクターなど事業成長に直結する職種へジョブチェンジ

登壇した西自身も、もともとはお問い合わせを受けるカスタマーサポートの担当者でした。リスキリングを経て、現在は導入支援や登壇を担当しています。

自社で全社AI化を進めたからこそ見えた課題や失敗のパターンを、そのままお客様への支援に還元している——これがGMO即レスAIの立ち位置です。

GMO即レスAIの主要実績

指標実績
有人対応の削減80%削減 ※1
問い合わせ対応時間の削減月あたり548時間 ※1
導入企業様からのサポート満足度100% ※2
顧客対応AIエージェントの正答率99.9% ※3

※1 2025年6月 カラーミーショップ実績。事例ページに掲載している「月間803時間の削減」は2023年11月の導入直後を対象とした計測で、計測時点が異なります
※2 2026年2月時点での自社調べ(導入企業満足度調査)
※3 99.9%を保証するものではありません

前提:AIは「試す」から「業務を任せる」フェーズへ

講演では、現状を3つの数字で整理しました。

  • 34.5% — 生成AIを業務活用している企業(調査対象10,312社ベース)
  • 40.0% — 「活用すべき業務の範囲」を課題・懸念に挙げた企業(生成AI活用企業3,560社ベース)
  • 21% — エージェント型AIについて成熟したガバナンスモデルを持つと回答した企業

出典:34.5%・40.0%は帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」、21%はDeloitte「State of AI in the Enterprise 2026」

差がつくのはモデルの性能ではなく、業務への組み込み方と統治です。大きな成果をいきなり狙うのではなく、小さく始めて成果と安全性を同時に確保しながら、根拠を持って社内展開を進めることが重要になります。

成果が出る会社と出ない会社を分ける3つの分岐点

成果が出る会社の3条件(分岐点①使う範囲を決めている/②単発タスクで止まってない/③人とAIの運用を設計)

  1. 使う範囲を決めているか
  2. 単発タスクで止まっていないか
  3. 人とAIの運用を設計しているか

分岐点1:使う範囲を決めているか

帝国データバンクの調査では、生成AIを活用している企業の40.0%が「活用すべき業務の範囲」を課題に挙げています。どこに使うかが曖昧なまま「とりあえずAI」で導入してしまうと、ツールを入れること自体が目的化してしまいます。

一方、成果が出ている会社は、問い合わせ対応・受発注・社内申請など、対象を具体的な業務プロセスで切っています

進め方のポイント

  • まずは1業務から、が鉄則 — いきなり全部をAIに任せない
  • 難易度が低く取り組みやすい業務から着手する — 定型作業、ルーティン業務、毎月繰り返す作業など
  • 効果が大きいが難易度が高い業務は中長期で狙う
  • 効果を定量的に出す — 「なんとなく楽になった気がする」で終わらせず、削減できた作業量・時間を数字で示す

「どの業務か」を決めることが、最初の分かれ道です。

分岐点2:単発タスクで止まっていないか

「Geminiを使いました」「ChatGPTを使いました」——こうした単発タスクでの活用は広がっていますが、それぞれが打ち上げ花火で終わってしまうケースが少なくありません。

重要なのは、調べる・判断するだけでなく、実行するところまでを一連のプロセスとしてAIに通すことです。問い合わせ対応であれば、次のような自律実行フローになります。

  1. 受付 — 問い合わせを受信する
  2. 一次回答 — AIエージェントが自律的に対応する
  3. エスカレーション — 必要な時だけ人が対応する

「AIだけ」「人だけ」ではなく、AIと人の役割を切り分けて設計することがポイントです。

分岐点3:人とAIの運用を設計しているか

冒頭で挙げた「エージェント型AIについて成熟したガバナンスモデルを持つ企業は21%」という数字が効いてくるのが、この3つ目の分岐点です。生成AIを活用している企業が挙げる課題・懸念は、次のような順位になっています。

順位課題・懸念割合
1情報の正確性50.4%
2専門人材・ノウハウ不足41.3%
3活用すべき業務の範囲40.0%
4情報漏洩のリスク33.5%
5トラブル時の責任所在などのルール整備25.5%

出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(生成AI活用企業3,560社・3つまでの複数回答)

このうち講演では、運用設計でカバーすべきガバナンス面の3つ——情報の正確性(50.4%)・情報漏洩のリスク(33.5%)・トラブル時の責任所在などのルール整備(25.5%)——を取り上げました。これらはAIを入れただけでは解決しません。AIの権限と、人の確認点を設計する必要があります。運用で決めるべきことは次の3つです。

  1. AIの回答を検証・判断する基準
  2. 入力するデータと業務の利用範囲
  3. 事故時の対応フローと管理責任者

「入れっぱなしで終了」が最も避けたい状態です。正確性への不安(50.4%)に加え、専門人材・ノウハウ不足(41.3%)も上位の課題として挙がっており、導入後も運用に伴走し、AIに任せる部分と人が見る部分を設計し続けることが求められます。

運用サイクルの回し方

ログをみる → 分析する → 改善する → 精度が向上する

このサイクルを回し続けられるかどうかで結果が大きく変わります。ログを見ると「この質問が意外と多い」「ここで詰まっている」といった実態が可視化され、学習させる情報・させない情報の判断、ナレッジの整備といった次のアクションにつながります。AIが古い状態のまま放置されると、成果は出ません。

AIに任せられる業務の例

社内での自動化

受発注処理や社内申請といった定型業務の自動化です。メールなどで届く注文書を基幹システムに手作業で入力していた業務を、AIが内容を読み取って自動で起票し、人はダブルチェックと承認に集中します。契約書・申請書のチェックも、社内規程を学習させたAIが一次精査を行うことで、人は修正と最終判断に集中できるようになります。

営業支援からAI営業マンへ

商談後の提案書作成やフォローメールといった作業をAIが担います。さらに、属人化しがちな商談の進め方や勝ちパターンを学習させることで、新人でも先輩の商談知識を引き出せるようになります。

ECサイトでも、まるで店員さんのように

業務効率化とは違う軸の活用です。

  1. 商品探しをサポート — 数ある商品から、欲しいものを一緒に見つける
  2. パーソナライズ提案 — 好みや目的に合わせておすすめし、購入を後押しする
  3. 購買意欲を高める — 商品を探す手間を減らし、売上にも貢献する

【導入事例】現場で起きている変化

事例1:株式会社ココナラ様(従業員101〜300名規模)

  • 課題 — シナリオ型ボットの保守・改修工数が肥大化し、FAQへの導線だけでは自己解決を促しきれず有人対応の負荷が高止まりしていた
  • 効果 — 月3,000件分の対応工数を削減。一次対応で情報の粒度が揃うことで解決スピードも向上

▶ 事例の詳細:月3,000件分の対応工数を削減。AIチャットボット導入による工数削減とCSのあり方の変化|株式会社ココナラ

事例2:鹿屋市様(庁内利用・職員800名規模)

  • 課題 — 庁内マニュアルが多様な形式・場所で管理され、契約事務や庶務事務、電子契約・電子請求といったテーマで「マニュアルを読めば解決するレベル」の問い合わせも担当課に寄せられていた
  • 改善内容 — 全職員に関係するようなマニュアルの約50%をAIが学習
  • 効果 — 公開から約3ヶ月で月平均約660件の庁内問い合わせに自動対応。幹部職員も業務効率化を実感

▶ 事例の詳細:3ヶ月で月平均約660件の問い合わせに自動対応し、全職員の聞きやすさを変えたDX推進|鹿屋市

事例3:奄美市様(市民向け利用・人口約4万人規模)

  • 課題 — ごみ関連の問い合わせが電話のみで年間8,000件を超えていた
  • 改善内容 — ごみ分別に特化したAIを導入し、公式ホームページと公式LINEで提供
  • 効果 — 夜間・早朝・休日も相談可能に。「こんなことで電話していいのかな」という心理的負担が下がり、公開直後から寄せられた反響を受けて回答範囲の拡大を進行中

▶ 事例の詳細:市民からの「こんなことで質問していいのかな」を減らす。新しい市民ファーストのお問い合わせ対応を目指して|奄美市役所

事例4:カラーミーショップ(自社サービスでの活用)

  • 課題 — HTMLやCSSといった専門的な内容から決済・返品・送料まで問い合わせが多岐にわたり、導入前は月間4,000時間ほどの対応時間が発生。シナリオ型チャットボットの解決率は2〜3%程度にとどまっていた
  • 改善内容 — 問い合わせの一次受けをすべてAIチャットボット化し、有人対応が必要な複雑な問い合わせに集中できる環境を構築
  • 効果 — 有人問い合わせ件数を80%削減(2025年6月時点)

▶ 事例の詳細:月間803時間の問い合わせ業務削減。カラーミーショップは問い合わせ業務をどのように効率化したのか。

※ 事例ページに掲載している「月間803時間の削減」は、2023年11月の導入直後を対象とした計測です。本記事の数値は2025年6月時点のもので、計測時点が異なります。

明日から試せる一歩

AIは、入れるだけでは差がつきません。

  1. 使う範囲を決める — 対象業務を1つ選ぶ
  2. プロセスで自律実行する — 質問に答えるだけで終わらせず、実行まで通す
  3. 人とAIの運用を設計する — 人が見る点と最終責任の所在を決め、ログを見て改善サイクルを回す

今日から試せる一歩として、まずは対象業務を1つ決めるところから始めてみてください。

導入したあとこそが本番

人手不足、属人化、マニュアル更新が回らない、社員のAIスキル格差——お問い合わせ対応の現場で起きているこうした課題は、採用難・人件費増・教育コスト増・離職率増加・機会損失といったインパクトにつながります。

GMO即レスAIは、生成AI業務活用率96.2%(2025年12月時点)を達成したGMOインターネットグループでの自社実践のノウハウをもとに、要件定義から運用の伴走支援まで一貫してサポートします。自社サービスのAI構築・運用を経験したメンバーがカスタマーサクセスを担当し、毎月の定例を通じて改善を続けていきます。

お問い合わせ

本講演の内容について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

GMO即レスAI(AIチャットボット・AIエージェント導入・運用)
サービスサイト:https://sokuresu.ai/
お問い合わせ:https://sokuresu.ai/contact
資料ダウンロード:https://sokuresu.ai/document/service

AIと共に生産性の高い社会を創る

GMO即レスAI