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【義務化対応】カスハラは訴えられる?証拠の残し方と判断基準の作り方

2026-08-17

【義務化対応】カスハラは訴えられる?証拠の残し方と判断基準の作り方

「あそこまで言われて、泣き寝入りするしかないのか」。カスハラ(カスタマーハラスメント)の被害を受けた現場から、そうした声が上がることがあります。結論からお伝えすると、加害者を訴えることはできます。ただし実際に動けるかは、そのときの悪質さよりも「記録が残っているか」でほぼ決まります。

さらに2026年10月1日からは、悪質なカスハラへの対処方針を定めることが事業主の義務になります。本記事では該当しうる罪と証拠の残し方、現場が迷わない判断基準の作り方までを整理します。

▶ 関連記事:カスハラ対応はどうすればいい?現場を守る初動フローと言い回し例

1. カスハラは訴えられる?民事・刑事の2つのルート

カスハラの加害者に対して法的措置を取ることは可能です。ルートは民事と刑事の2つに分かれ、目的が異なります。

カスハラを訴える民事・刑事2つのルートと実務の順序

民事:被害の回復を求めるルート

受けた被害を金銭などで回復してもらうルートです。暴言による精神的な苦痛や、居座りによる業務の停滞について損害賠償を請求します。請求するのは会社の場合も、被害を受けた従業員本人の場合もあります。

刑事:処罰を求めるルート

加害者の行為を犯罪として処罰してもらうルートで、警察への相談・通報や被害届の提出から始まります。厚生労働省も、犯罪に該当し得る言動を警察へ通報することを、あらかじめ定めておく対処の例に挙げています(出典:令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!|厚生労働省)。

ただし実務では、いきなり訴訟や被害届に進むとは限りません。書面での警告、来店や取引のお断り、弁護士を通じた交渉と段階を踏むのが一般的です。訴えることは、その先にある最終手段です。

2. どんな言動が犯罪になりうるのか|厚労省が示す該当条文

カスハラのすべてが犯罪になるわけではありません。厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」は、抵触しうる法律として次の条文を挙げています。

顧客等の言動該当しうる罪(刑法)
殴る・突き飛ばすなど身体への攻撃暴行罪(208条)/傷害罪(204条)
害を加えると告げて怖がらせる脅迫罪(222条)
脅して土下座や謝罪文を強要する強要罪(223条)
金銭や商品を脅し取ろうとする恐喝罪(249条)
公然と名誉を傷つける・侮辱する名誉毀損罪(230条)/侮辱罪(231条)
長時間の居座りで業務を止める威力業務妨害罪(234条)
退去を求めても帰らない不退去罪(130条)

(出典:カスタマーハラスメント対策企業マニュアル|厚生労働省

注意したいのは、この表が「該当しうる」類型だという点です。実際に成立するかは状況と証拠によって個別に判断されるため、自社のケースが当てはまるかは弁護士に確認してください。

対応記録を見ながら上長と法的対応を相談する担当者

なお、正当なクレームとの線引きや義務化の全体像は、【2026年義務化】カスハラ対策の完全ガイド|コールセンターを守るAI活用法で整理しています。

3. 訴えられるかどうかは「記録が残っているか」で決まる

訴えるかどうかを実際に左右するのは、行為の悪質さよりも証拠です。どれだけひどい言動でも、残っていなければ主張を裏づけられません。

厚労省が挙げる、集めるべき証拠

同マニュアルは、カスハラが疑われる場合に「録音・録画・対応記録・時間の計測など検証可能な証拠を収集します」と示しています。見落とされやすいのが「時間の計測」です。何分拘束されたかは、業務が妨げられた事実を示す材料になります。

対応記録に残す項目

本社・本部へ報告する際に共有すべき内容として、マニュアルは次の項目を挙げています。

  • 対応日時、場所
  • 対応従業員
  • 要望の内容
  • 要望者の情報
  • 管理者の指示
  • 対応結果

これらを時系列で整理しておけば、引き継いだ担当者もそのまま状況を把握できます。記録は訴えるためだけでなく、日々の引き継ぎの質にも直結します。

カスハラの証拠として集めるものと対応記録に残す6項目

記録が現場任せだと、後から立証できない

問題は、この記録が現場の善意に依存しやすいことです。対応の直後は動揺していて、落ち着いて書ける状態ではありません。あとで書こうとすれば細部が抜け落ちます。

店舗や拠点が分散している企業では、記録の粒度が現場ごとにばらつきます。電話が中心の企業では、通話を録音していなければ発言そのものが残りません。どちらも本部が事実を再構成できず、法的措置の検討が止まります。記録を残す手段の違いはカスハラ対策に効くAIツール比較5選|タイプ別の選び方と導入効果で比較しています。

▶ カスハラの記録・体制づくりに関するお問い合わせはこちら

4. 2026年10月からは「訴える判断」の準備も企業の義務に

2026年10月1日に改正労働施策総合推進法が施行され、カスハラ対策が事業主の義務になります。見落とされやすいのは、悪質なケースへの備えも義務に含まれている点です。

求められているのは「あらかじめ決めておくこと」

厚生労働省は、事業主が必ず講じなければならない措置の一つとして次を挙げています。

特に悪質と考えられるカスタマーハラスメントへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備する

(出典:令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!|厚生労働省

悪質なカスハラが起きてから対応を考えるのでは足りない、ということです。訴えるかどうかを現場の判断に委ねている状態は、10月以降は措置が未実施と見なされるおそれがあります。

現場が迷わない判断基準の作り方

判断基準は複雑である必要はありません。マニュアルが本社・本部への報告基準の例に挙げるのは、「訴訟手続きが必要となる」場合と「警察、地方自治体等、社外の組織と連携が必要となる」場合の2つです。

自社で決めるなら、次の3つを書き出すところから始められます。

  • どの言動が出たら、その場で対応を打ち切って上長に引き継ぐか
  • どの段階で本部の法務・人事に上げるか
  • 誰が警察や弁護士への相談を判断するか

カスハラ対応の判断基準3段階(現場・本部・会社)

大切なのは、担当者が「これは訴えるレベルなのか」を自分で決めなくてよい状態を作ることです。判断を組織が引き取れば、現場は目の前の対応に集中できます。

5. 記録と一次対応を仕組みで支える「GMO即レスAI for CS」

判断基準を決めても、記録が残らなければ機能しません。GMO即レスAIは、AIチャットボットの導入効果を最大化する導入支援サービスです。CS業務に特化した「GMO即レスAI for CS」では、一次対応から記録の蓄積までを一つの流れにできます。

AIが一次対応を受け持つと、やり取りはそのままログとして残ります。担当者があとから思い出して書く必要がなく、時系列も自動で揃います。人の対応が必要な場面では、会話の文脈を保ったまま有人チャットへ切り替わります。

AIの一次対応で残ったやり取りの記録を同僚と確認する様子

感情的な連絡が従業員に直接届く量そのものを減らす効果もあります。官民共働型のスタートアップ支援施設であるFukuoka Growth Next様では、導入1ヶ月で電話対応にかかる時間が80%減少しました。GMOペパボが778万人以上の顧客対応で培ったCS(カスタマーサポート・サクセス)運営の知見が土台にあります。

一方で、対面接客での身体的な行為や店頭での居座りへの備えは、AIだけでは完結しません。防犯カメラや警備との連携が中心になります。向いているのは、電話・メール・Webでの問い合わせが多く、記録が担当者ごとにばらついている企業です。

6. カスハラを訴えることに関するよくある質問(FAQ)

Q. 会社ではなく、従業員個人で訴えることはできますか?
A. 精神的な苦痛を受けた本人として、損害賠償を請求することは考えられます。ただし個人で進めると負担が大きいため、まず会社の相談窓口に共有してください。

Q. 相手の了解を得ずに録音した音声は使えますか?
A. 厚生労働省のマニュアルは「必要があれば相手の了解を得て録音する」としています。証拠として使えるかは状況によって変わるため、弁護士に確認するのが確実です。

Q. 訴えると決めたら、まず何から着手すべきですか?
A. 記録の整理が先です。対応日時・場所・対応従業員・要望の内容・管理者の指示・対応結果を時系列にまとめてから、法務部門や弁護士に相談します。

Q. 訴えなくても義務化には対応できますか?
A. できます。義務づけられているのは訴えること自体ではなく、悪質なケースへの対処方針をあらかじめ定め、実行できる体制を整えることです。

7. カスハラの記録・判断基準づくりにお悩みではありませんか?

「訴えるべきかどうかを現場に判断させてしまっている」「記録の粒度が担当者ごとにばらばらで、あとから追えない」。義務化を前に、そうした課題を抱える担当者は少なくありません。

GMO即レスAIでは、問い合わせ対応の設計から記録が残る運用の立ち上げまで、CS出身のメンバーが伴走します。何から手をつけるかを整理する段階からご相談いただけます。

カスハラ対応の手順をチームで共有するミーティング

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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