GMO即レスAI

カスハラの相談窓口はどう作る?設置方法と必要な準備

2026-09-16

カスハラの相談窓口はどう作る?設置方法と必要な準備

2026年10月のカスハラ対策義務化に伴う、カスハラの相談窓口設置は、専任の部署を新設するという話ではありません。厚生労働省の指針は、担当者を決める・制度を設ける・外部に委託するの3つを、いずれも窓口を定めたと認められる例として挙げています。既存のハラスメント窓口と一体で設置してもかまいません。

一方で、設計を1つ間違えると窓口は機能しなくなります。カスハラに該当するかどうかを窓口で判定させてしまうことです。指針は、該当するか微妙な場合でも広く相談に対応するよう求めています。

本記事では、3つの設置方法と担当者に必要な準備を整理したうえで、相談が集まる窓口にするための設計の勘所を解説します。

▶ 関連記事:【10月1日施行】カスハラ対策の義務化で何をすればいい?準備の順番と措置義務

1. カスハラの相談窓口は3つのどれかで満たせる

指針は、相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例として、次の3つを挙げています。どれか1つを満たせばよく、組み合わせる必要はありません。

設置方法実務での姿
① 担当者をあらかじめ定める人事担当者やCS責任者を担当者として指名し、社内に伝える
② 相談の制度を設ける申告フォームや面談の申込みなど、相談の手順を制度として置く
③ 外部の機関に委託する社外の相談受付サービスや専門機関に委託する

さらに、職場における他のハラスメントの相談窓口と一体的に設置することも考えられるとされています。すでにパワハラの窓口があるなら、そこでカスハラも受けると決めて周知するだけで要件を満たせます。

(出典:事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)|厚生労働省

カスハラの相談窓口として認められる3つの設置方法

上司を担当者にすることも認められている

指針は、相談に対応する担当者として労働者の上司に当たる管理監督者等を定めることも考えられるとしています。専任の担当者を置ける規模でなくても、窓口の要件は満たせます。

定めるだけでは足りず、周知までが要件

条文の措置は「あらかじめ定め、労働者に周知すること」です。窓口を決めた事実が労働者に届いていなければ、措置を講じたことにはなりません。シフト制や在宅勤務が多い職場では、朝礼や口頭の伝達だけでは届かない層が残ります。誰にどの経路で伝えたかを確認しておくところまでが窓口づくりです。

2. 窓口の設計で一番大事なのは「グレーでも受ける」

指針は、窓口が受ける範囲を広く取るよう求めています。原文は次のとおりです。

職場におけるカスタマーハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、職場におけるカスタマーハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。

つまり、カスハラに当たるかどうかを窓口で判定して門前払いする運用は、指針の求める姿から外れます。 該当するかの判定は、相談を受けた後の事実確認の段階で行うものです。窓口の役割は受けることであり、選別することではありません。

相談窓口が受けるべき3つの範囲

相談が来ないのは、起きていないからとは限らない

指針は、被害を受けた労働者が萎縮するなどして相談を躊躇する例もあることを踏まえるよう求めています。そのうえで、相談者の心身の状況や、その言動を受けた際の受け止めといった認識にも配慮するとしています。

窓口を作ったのに相談が上がってこないとき、まず疑うのは発生の少なさではなく設計です。相談しても「それはカスハラではない」と判定されて終わると思われていないか、担当者が対応の当事者と近すぎないか、相談したことが評価に響かないと伝わっているか。この3点は作ったあとに確認する価値があります。

3. 担当者を機能させる3つの手当て

窓口を定めるだけでなく、担当者が内容や状況に応じて適切に対応できるようにすることも措置に含まれます。指針が挙げる例は次の3つです。

  1. 関係部門と連携できる仕組みにする:相談の内容に応じて、担当者と法務・人事・現場の責任者がつながる経路を決めておく
  2. マニュアルに基づいて対応する:あらかじめ留意点を書いた手順を用意し、担当者はそれに沿って動く
  3. 研修を行う:相談を受けた場合の対応について、担当者に事前の訓練を用意する

3つとも、担当者個人の力量に頼らない状態を作るための手当てです。誰が受けても同じ扱いになる形にしておくと、相談する側も安心して持ち込めます。

相談窓口の担当者を機能させる3つの手当て

非対面のカスタマーサポートで届きにくい層

電話やチャットの一次対応は、シフト制や在宅、業務委託の体制で回していることが多くあります。この場合、窓口の存在そのものが届きにくくなります。あわせて、相談を受けた後の事実確認も難しくなりがちです。通話録音を運用していない電話は、担当者の記憶しか手がかりが残らないためです。

一次対応のやり取りがログとして残っていれば、相談を受けた段階でその履歴を確認できます。窓口の実効性は、記録の設計とセットで決まります。

窓口の設計から相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください

4. プライバシーと不利益取扱いの禁止まで含めて1セット

窓口を作るときに同時に決めておく措置が2つあります。どちらも義務です。

1つ目はプライバシーの保護です。指針は、必要な措置を講じたと認められる例として次の3つを挙げています。

  • 保護に必要な事項をあらかじめマニュアルに定め、担当者はそれに基づいて対応する
  • 担当者に必要な研修を行う
  • 保護の措置を講じていることを社内報・パンフレット・社内ホームページ等で周知する

効果的なものは3つ目です。従業員には、自分たちが守られていると伝わって初めて、相談のハードルが下がります。

なお指針は、相談者等のプライバシーには性的指向・ジェンダーアイデンティティ等の機微な個人情報も含まれると明記しています。相談の経緯にこうした情報が含まれる場合の扱いも、あらかじめ手順に入れておく必要があります。

2つ目は、相談したことなどを理由とする不利益な取扱いの禁止です。これは改正労働施策総合推進法 第33条第2項の義務で、措置義務と同じく勧告に従わなかった場合の公表の対象に含まれます。定めて周知するところまでが求められます。

メモを取りながら相談を聞くカスタマーサポート担当者

5. 相談後の事実確認を支える「GMO即レスAI for CS」

窓口が受けた相談は、事実確認につながって初めて次の対応に進みます。この材料づくりが、非対面のカスタマーサポートでは最初の壁になります。

GMO即レスAIは、AIチャットボットの導入効果を最大化する導入支援サービスです。CS業務に特化した「GMO即レスAI for CS」では、AIが一次対応を受け持ち、やり取りはそのままログとして残ります。人の対応が必要な場面では、会話の文脈を保ったまま有人チャットへ切り替わり、チケットとして一元管理できます。相談が上がってきたときに、いつ何が起きたかを履歴で追える状態になります。

設計の土台には、GMOペパボが778万人以上の顧客対応で培ったCS運営の知見があります。CS出身のメンバーが、対応フローの設計から記録が残る運用の立ち上げまで伴走します。

一方で、相談窓口そのものの設置や社内規程の整備は、人事や法務の領域です。AIで完結する部分ではありません。向いているのは、電話・メール・Webでの問い合わせが多く、相談を受けた後に振り返る材料が足りていない企業です。

6. カスハラの相談窓口に関するよくある質問(FAQ)

Q. 相談窓口は社外に委託してもよいのですか?
A. かまいません。指針は「外部の機関に相談への対応を委託すること」を、窓口をあらかじめ定めていると認められる例として挙げています。

Q. 専任の担当者を置けない規模でも要件を満たせますか?
A. 満たせます。指針は、相談に対応する担当者として労働者の上司に当たる管理監督者等を定めることも考えられるとしています。既存のハラスメント窓口と一体で設置する方法もあります。

Q. 派遣社員から相談を受けた場合はどうなりますか?
A. 派遣先も対象です。指針は、労働者派遣の役務の提供を受ける者は派遣労働者についても自社の労働者と同様に措置を講ずる必要があるとしています。相談したことを理由に派遣の受入れを拒むといった不利益な取扱いも、派遣先に禁止されています。

Q. カスハラに当たるか判断できない相談も受けるべきですか?
A. 受けてください。指針は、発生のおそれがある場合や該当するか微妙な場合であっても広く相談に対応するよう求めています。放置すれば就業環境を害するおそれがある場合が例として挙げられています。

Q. 窓口を作れば、相談があった後の対応も自動的に満たせますか?
A. 別の措置です。事実関係の確認、被害者への配慮、再発防止は事後対応として定められています。事後対応まで含めた体制の作り方は【2026年義務化】カスハラ対策の完全ガイドで整理しています。

7. 相談窓口の設計にお悩みではありませんか?

「窓口は決めたが、相談が上がってこない」「相談を受けた後、何を確認すればよいか決まっていない」。施行日を前に、こうした課題を抱える担当者が増えています。

GMO即レスAIでは、問い合わせ対応の設計から、相談後に振り返れる記録づくりまで、CS出身のメンバーが伴走します。窓口の周知の仕方から整理する段階でご相談ください。

▶ カスハラ対策の体制づくり・AI活用のご相談はこちら

最後までお読みいただきありがとうございました。

AIと共に生産性の高い社会を創る

GMO即レスAI