2026-04-10
【AI博覧会 Spring 2026 登壇レポート】ここまで変わる!確実に成果が出るAIエージェント導入

AI博覧会のカンファレンスにて、AI導入セミナーに登壇しました。「AIを導入したいが方針が決まらない」「ツールを入れたが使われない」——多くの企業が直面するこうした課題に対し、GMOペパボが2年間かけて取り組んできたAI活用のリアルな試行錯誤を、成功も失敗もすべてお話ししました。
開催概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| イベント名 | AI博覧会 AI導入セミナー |
| 開催日時 | 2026年4月8日(水)13:00〜13:40 |
| 形式 | カンファレンス登壇 |
| 登壇者 | GMOペパボ株式会社 |
登壇者紹介
秦 智也(はた ともや)
GMOペパボ株式会社 事業開発部 即レスAIチーム
GMOペパボ株式会社にて、企業向けAI導入支援サービスである「GMO即レスAI」の事業開発を担当。カスタマーサポート出身として現場課題を起点に、AIチャットボットのプロダクト企画・営業戦略・データ活用まで横断しながらAIによる問い合わせ対応の自動化と顧客体験の高度化を推進。現在は企業の業務効率化やDXを支援するAI導入・生成AI活用プロジェクトの企画・推進にも取り組んでいる。
衝撃的なデータ:AI導入の現実
講演の冒頭では、AI導入にまつわる3つの調査データを紹介しました。
- AIプロジェクトの停滞 — Deloitte「State of Generative AI in the Enterprise(2024年Q2発行)」によると、AIプロジェクトが大量展開の段階で停滞した企業は全体の約68%にのぼります。
- ROI(投資収益率)の実現状況 — IBM「CEO Study(2025年5月発行)」では、CEO 2,000名を対象にした調査で期待通りのROIを実現できた企業はわずか25%。全社スケールまで成功したのは16%にとどまっています。
- 日本企業の状況 — 東京商工リサーチ「生成AIに関するアンケート調査(2025年8月発行)」では、6,645社のうち半数以上の50.9%がまだ方針すら決まっていない状況です。
多くの企業がAI導入に失敗する3つのパターン
商談やお客様との対話の中で繰り返し聞かれる悩みを整理すると、失敗するケースには共通の3パターンがあります。

- ツール先行型 — 業務課題を特定しないまま「とりあえずツールを入れる」。業務課題と紐づいていないため、使われないツールが出来上がってしまう。
- PoC(概念実証)止まり — 小さな実験では問題なかったが、現場に展開すると想定外の事態が起き、推進者や情シス部門だけの導入に留まってしまう。
- ガイドライン未整備のまま展開 — 「情報漏洩しないか」「AIが変な案内をしたらどうするのか」という不安が解消されず、組織に浸透しない。
この3つに共通する根本原因は「業務設計がない」こと。ツールから考えるのではなく、業務から考えるという発想の転換が必要です。
GMOペパボのAI活用実績
GMOインターネットグループ全体では、AI業務活用率96.2%、累計約25万1,000時間のAI活用実績を積み上げています。これは一夜にして達成したものではなく、2023年から段階的に取り組んできた結果です。
- 2023年 — 賞金1,000万円のAIコンテストを開催し、従業員からアイデアを募集。さらに全社員がAIパスポート(社内AI検定)を取得し、リテラシーを底上げ。
- 2024年 — 非エンジニア向けの3ヶ月間リスキリングプログラムを実施。1従業員あたり月10,000円のAIツール補助金を支給し、誰でも使いやすい環境を整備。
ポイントは、罰則型のアプローチではなくインセンティブ設計でポジティブな行動を促進したことです。
成果を出すための3つの鍵

鍵1:業務設計ファースト
AIを入れる前に、まず業務を見る。AIに何をさせるのか、業務のどこに投入するかを見極めることが出発点です。
AIに任せる業務を見極める3つの条件
- 繰り返しが多い — 同じ作業を日常的に繰り返している業務
- 判断基準が明確 — マニュアルやFAQで回答できる範囲が整理されている
- インパクトが大きい — コスト削減や問い合わせ数の削減に直結する
GMOペパボでは11サービスで月間30万件超の有人対応を抱えていました。問い合わせ内容を分類・分析した結果、62%がマニュアルで回答可能な定型的なものだと判明。感覚ではなくデータに基づいて「何をAI化するか」「どの水準を目指すか」を定量的に設計したことが、推進力につながりました。
鍵2:スモールスタートと段階展開
いきなり全社展開ではなく、3段階のロードマップで進めました。
- ステップ1:クイックウィン — 1つのサービスの1チームで限定導入し、成功体験を作る。
- ステップ2:横展開 — 社長が「2025年1月から全サービスのお問い合わせを完全AI化する」と宣言。明確な期限を設定し、全11サービスへ段階的に展開。実際にこの目標は達成され、現在は全サービスでAIが稼働しています。
- ステップ3:自律的な改善 — 運用フェーズに入ると、担当者自身が「この業務もAI化できるのでは」と主体的に改善提案を出し始め、CS部門だけで1年間に33件のAI化・自動化施策が非エンジニアの手で実行されました。
鍵3:人とAIの共同設計
「AIに仕事を奪われるのでは」という従業員の不安に対しては、実際に起きたのはその逆でした。
- AIとの対話を経てから有人対応に移ることで、お客様の課題が明確になり対応がスムーズに
- 24時間365日対応が可能になり、問い合わせのハードルが下がった
- 今まで問い合わせを諦めていたサイレントカスタマーからの利用が増加
組織としては「禁止する」のではなく「安全に走れる道を作る」発想でAIガイドラインを策定。利用率だけでなく、代表的な指標として正答率・解決率・離脱率など13の指標でKPI(重要業績評価指標)を設計し、ダッシュボードで継続的にモニタリングしています。
【実績公開】カスタマーサポート業務を変えたAI導入の成果
| 指標 | 成果 |
|---|---|
| 有人対応削減 | 約50%削減 |
| AI正答率 | 80%以上 |
| 有人対応成功率 | 99.9% |
| AI解決率 | 全体の問い合わせの約50%をAIで解決 |
| 人員の再配置 | CS出身31名が人事・営業・ディレクターなど新職種へ異動 |
| AI化・自動化施策 | 33件以上を非エンジニアが実施 |
ただし、これは2年間かけて積み上げてきた実績です。すぐに効果を求めすぎないことが大事で、段階を踏んで改善サイクルを回し続けた結果が数字に表れています。
明日からやってほしい3つのこと

- 業務の棚卸し — 業務プロセスを1つ選び、作業内容・頻度・所要時間を書き出す。日常的にやっている業務だからこそ気づきにくいが、必ず「自動化できるもの」が見つかる
- AIに任せる/人が握る判断を分ける — 3つの条件(繰り返しが多い・判断基準が明確・インパクトが大きい)に照らし合わせて、AI化する対象を特定する
- 小さく始める — 対象業務を1つ決めて試す。完璧を目指さず、着実に全体へ展開していく
業務設計 → 段階展開 → ガバナンス設計。この順番で一つずつ進めていくことが、確実に成果を出すための道筋です。
お問い合わせ
本セミナーの内容について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
GMO即レスAI(AIチャットボット導入・運用)
サービスサイト:https://sokuresu.ai/
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