社内イベントで活用するDify~AIを使って社内行事も効率化~
2025-12-10

忘年会や新年会などの社内イベントの企画や運営を任された総務・人事担当にとって、毎年限られた予算内で満足度の高いイベント運営をすることは、常に悩ましい課題ではないでしょうか。
内製ではマンネリ化してきているが、本業以外に準備に時間も割けず、とはいえ外部委託する費用も調整する時間的なコストも掛けられないため、結局いつもと同じ内容になってしまう…といったことは全国で起こっているように思えます。
本コラムでは通常、ビジネスにおける業務効率化のノウハウやAIツール・エージェントの活用事例などを発信していますが、今回は「社内エンゲージメントの向上」やAIツールでイベントの準備時短に応用できる具体的なソリューションをご提案します。
今回ご紹介するのは、エージェンティックAIツール**「Dify」を活用して構築する『AIビンゴシステム』**です。
ビンゴをイベントで用いるには、従来「司会者」「機材担当」「進行管理」などそれなりに人的リソースが必要でした。しかし、本システムの導入によって、人的コストを削減し担当者のオリジナリティを含めた演出で会場を盛り上げることが可能になります。
単にイベントをコストを抑えて済ませることではなく、「ノーコードで自社専用のアプリを開発する」という、実践的なリスキリングの教材としてもご活用いただけたらと思っています。
業務とは直接関係のないイベントというリラックスした場だからこそ、失敗を恐れずに最新のAIツールに触れ、開発プロセスを体感することができます。
それは結果として、組織のDXを推進する人材発掘の第一歩となると期待しております。
低コストでイベントを成功させ、さらに担当者のAIリテラシーも高まることが期待できる、 一石二鳥の「AI×社内イベント」について、ぜひご覧ください。
さっそくですが、実際に動いている様子は下記の通りです。


ビンゴを始める投げかけと、次の数字を問いかけるだけで表で数字を出力し、現在どの数字がでているのか一目でわかるアプリになっています。
加えて次の質問の候補をAIに出力させて、毎回キーボードやマイクから指示を出さずに済むような設計になっています。
この記事の通りにDifyを設定するだけで、PCを優秀なビンゴ司会者にすることができます。
AIでビンゴを完結させる
イベントのコンテンツを単なる省力化や時短にフォーカスして用意するなら、スマホやweb上で数多に存在するビンゴアプリを使えば済む話ですが、あえて自作することには下記のように大きな意味があります。
-
AI人材というブランディング
ただの幹事か、AIツールを使いこなす幹事として認知されるかに違いがあります。
プロジェクターや大型スクリーンに投影された自作アプリで、一味違うイベントとして、
ユーモアに富んだイベントだったと参加者の記憶に残しましょう。 -
司会進行からの解放
クリック一つで数字を読み上げ、出た数字を確認しリーチを煽る。
これらをAIが代行してくれるので、参加者と一緒に楽しむ側にも回れます。
自分のビンゴカードの数字をパンチする余裕もあることでしょう。 -
自由自在なキャラ設定
AIでもイベントを盛り上げ役を担えた一例にできれば、他の業務でのAI化の検討が進む可能性もあります。
自社のキャラクターや、組織で共通言語となっているキーワードを出力させたり、社是・信条を盛り込むなど、プロンプトで司会の方向性を自由に変更しましょう。
あくまでオフィスや会社のイベントなので、節度を持って司会することが求められるかと思います。社風を理解させたり、ペルソナ設定を持たせて司会者像を組み上げられます。
GMO即レスAIが提供している、上記ビンゴ以外のDifyユースケースがまとめられた導入事例をダウンロードしてみませんか?
業務効率化に成功した事例を多数ご紹介しており、最適なAI活用のヒントになれば幸いです。
▶︎Difyで業務効率化する際のポイントを解説したお役立ち資料
これまでGMO即レスAIでは数々のDifyの活用例をご紹介してきましたが、
今回はチャットフローから設計します。
1. アプリの作成と数字記憶設定
Difyにログインし、最初から作成 → チャットフローを選びます。
アプリのアイコンや名前、説明を任意のものに設定して作成しましょう。

アプリを作成できたら、まずは出た数字を記録しておくための「箱」を用意します。
画像のような吹き出しマークから会話変数の編集画面を開き、変数を1つ追加します。

-
変数名: history
-
タイプ: String(文字列)
-
説明: 出た数字の履歴など
この設定を加えることで、AIが過去に出した数字を忘れない状態になります。
2. ロジック部分はコードで補完
このブロック設定がポイントです。

開始ブロックとLLMブロックの間で「+」を押して、コード実行を選択します。
先のブロックに設定していた数字記憶の要素を効かせるために、入力変数を追加します。

万能感があるAIも計算やランダム出力は意外と苦手です。
単純に生成AIへビンゴゲームの司会を依頼して、スレッドで続けるように数字を出力させることも可能ですが、重複した数字や順番通りの数字を出力してしまって、うまく司会進行できないことがあります。
そこで、数字の選出や表の作成といったロジック部分を簡単なプログラムに任せます。
このブロックにはPythonでコーディングしていますが、JavaScriptなども活用できます。コードブロックを追加し、以下のコードをそのまま貼り付けてください。
このコードは、下記の両方の役割を担います。
-
重複なしで数字を選ぶ
-
今の状況を表にする
Python
import random
def main(arg1: str) -> dict:
# --- 設定エリア ---
# まだ出ていない数字を隠す設定です
hide_numbers = True
# ----------------
# 1. 履歴の復元
if not arg1:
drawn_list = []
else:
drawn_list = [int(x) for x in arg1.split(',') if x.strip()]
# 2. 数字の抽選
if len(drawn_list) >= 75:
pick = None
message = "終了!"
else:
while True:
pick = random.randint(1, 75)
if pick not in drawn_list:
drawn_list.append(pick)
break
message = "選出完了"
new_history_str = ",".join(map(str, drawn_list))
# 3. 表の生成
table_lines = []
# ヘッダーなし
table_lines.append("| | | | | |")
table_lines.append("|:-:|:-:|:-:|:-:|:-:|")
for row in range(1, 16):
row_cells = []
for col in range(5):
num = row + (col * 15)
if num in drawn_list:
# 出た数字:太字にして✅をつける
row_cells.append(f"**{num}** ✅")
else:
# 出ていない数字
if hide_numbers:
row_cells.append("-") # ここを「-」に変更しました
else:
row_cells.append(f"{num}")
table_lines.append("| " + " | ".join(row_cells) + " |")
board_view = "
".join(table_lines)
return {
"number": str(pick) if pick else "終了",
"new_history": new_history_str,
"message": message,
"board_view": board_view
}
貼り付けたら、下部の「出力変数」に number, new_history, message, board_view の4つ(すべてString型)を定義します。

# 2. 数字の抽選ロジックなどの部分はその要素の説明なので、削除することも可能です。
出力される表の見た目をなどを変更したい場合に、コードを編集して理想とするビンゴゲームに近づけていきましょう。
3. 履歴を上書き保存する
コードで作られた新しい履歴を、アプリ本体に保存します。
「変数代入」ノードをつなぎ、変数に「history」を設定し、コードが出力した new_history を代入する設定を行います。

4. ビンゴの出目をAIに出力させる
ようやくAIブロックの出番となります。
「LLM」ブロックを追加し、SYSTEMプロンプトに指示します。
あなたはビンゴ大会の司会者です。
今回選ばれた数字は「</>コード実行{x}number」です!
この数字を読み上げて、会場を盛り上げてください。
余計な表の出力はせず、セリフだけで短く終わってください。

</>コード実行{x}numberと記載された部分は、ピンクの枠で囲われた「{x}」のボタンから指定します。
ここではAIに表の出力を任せずに、トークの役割だけ持たせましょう。
5. 画面に出力する
最後に「回答」ブロックを繋げます。
ここで、AIのトークとプログラムで作った表を合体させて、画面に表示させます。
\{\{#llm.text#\}\}
---
\{\{#code.board\_view#\}\}

先ほどと同様に、応答部分にはピンクの枠で囲われた「{x}」のボタンから変数を指定します。
これまで出てきた数字の一覧が表となって出力され、整った状態で見れるようになります。
2つのTips設定
これまでの設計だけでも十分動きますが、機能的な要素ををお教えします。
1.「次へ」ボタンの設置
毎回チャットボットにキーボードで文字を打ち込むのも大変かと思います。
1クリックで済むように、「機能」から「フォローアップ」をONにしておきましょう。
この設定で冒頭の画像のような次に寄せられる質問を出力してくれます。
「次に進む」はよくある選択肢なのでほぼ必ず出てきます。

2.音声読み上げをONに
設定の「機能」から「テキスト読み上げ」を有効にし、「自動再生」をONにします。
数字が出てからAIによるアナウンスが読まれれば、会場も盛り上がることでしょう。
人間のように数字の読み間違いをしたり、噛まない司会としての振る舞いに期待できます。

イベントを通してエージェンティックAIツールを学ぶ
完成したシステムの裏側では「変数の保持」「条件分岐」「データの可視化」といった、AIを活用した開発において重要となる要素が動いていることが理解できるかと思います。
イベントで使うためのツールなら、肩に力が入らず柔軟な発想で取り組めそうだと思いませんか?
あんなこともしてみたい、こんなことができたら盛り上がりそうだな、と想像しながら設計していくと、Difyの使い方を楽しみながら深く理解し、今後もそれが活きるはずです。
もし今年のイベント幹事を任されているなら、ぜひこの週末に試してみてください。
「どうやって作ったの?」と聞かれたら、そこから社内DX推進が始まるかもしれません。
今回の記事をきっかけにDifyでAIツール・エージェントを作成して、業務削減や自動化の一助になれることを願って止みません。
GMO即レスAIでは企業向けにDify導入支援もおこなっています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました!