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災害対策マニュアルをDifyでAI化 有事の意思決定をAIでサポート

2025-12-23

災害対策マニュアルをDifyでAI化 有事の意思決定をAIでサポート

日本は災害大国であり、企業にとってBCP(事業継続計画)の策定は重要度が高い優先事項です。現場では「数百ページのPDF」や「紙でまとめられたバインダー」が棚に眠っているのが実状ではないでしょうか。

いざ災害が発生した際、マニュアルをめくり自社に最適な正解を導き出すのは困難を極めます。

そこで注目したいのが、エージェンティックAIプラットフォーム「Dify」の活用です。本記事では、読まれるのを待つだけのマニュアルを、災害時の判断支援を行う「即応型の手引書」へアップデートし、組織の危機管理能力を最小限のコストで引き上げる方法を解説します。



なぜ、災害対策マニュアルをDifyでAI化するのか

災害対策におけるデジタル化の課題は、情報の正確性と、現場がいかに迷わず動けるかという点にあります。Difyの「RAG(検索拡張生成)」という仕組みを使えば、膨大なマニュアルから必要な回答を瞬時に導き出せます。

公的ガイドラインをAIの標準知能として組み込む

BCP策定において多くの担当者が直面することは、「自社の判断は社会的規範に正しいのか」という不安です。Difyを活用すれば、以下の公的な基準をAIのベースナレッジ(知識基盤)として直接インストールできます。

これらをナレッジベースに読み込ませることで、Difyで構築するAIチャットボットから、「日本の公的指針に基づいた専門性の高い回答」を生成させることが可能になります。


精度を極める「ハイブリッドRAG」の設計構造

Difyは、複数の情報源を階層化して管理できます。
自社の独自ルールと公的指針を切り分け、優先順位を定義することで、回答の解像度を高められます。

ナレッジベースの2層構造

AIが参照するデータを以下の2つに分類し、プロンプトで制御します。

階層

参照データ

AIへの指示(プロンプト設計)

Tier 1:自社個別ルール

緊急連絡網、避難経路、特定拠点の復旧優先順位、担当者リスト

「まずこの資料を最優先で検索し、具体的な行動指示を優先して回答せよ」

Tier 2:公的指針

中小企業庁・内閣府の各ガイドライン、業界別の防災規範

「社内ルールに記載がない場合や、客観的な判断基準が求められる場合に引用せよ」

この構造により、自社のルールを遵守しつつ、不足している知見を国家基準で補うという、回答できないことが起きにくいリスクマネジメントの回答が実現します。
※オンライン上でAIへデータをアップロードする際は、機密性の高い情報・資料が含まれないよう必ずご確認のうえ、必要に応じてクローズド環境での利用を検討ください。


GMO即レスAIではDifyでのチャットボット作成方法についても解説しています。
画像付きで解説していますので、まだ作ったことがない方は是非一度ご覧ください。


▼GMO即レスAIのDify活用事例についてはこちら


【重要】災害時のネット非接続をどう考えるか

ここで一つ、重要な懸念があります。そもそも災害時にインターネットは繋がるのかという点です。大規模災害時には通信インフラが途絶するリスクがあるため、「BCPはアナログ媒体であるべき」という考え方から、あえて紙で保管している、というケースもあるでしょう。

Difyを活用したデジタルBCPの真価は、有事の際だけに限定して発揮されるものではありません。

訓練実施での活用・シミュレーターとしての定期活用

Difyで備えるBCPの真価は、平時における訓練と予習で発揮されます。**
この仕組みの最大のメリットは、「AIを用いた防災シミュレーター」**として、日常的な訓練に活用することができます。

  • 「もしも」を予習する環境

    「金曜の夜、自分一人しかオフィスにいない時に震度6が来たら?」といったシナリオを想定し、Difyのワークフローの操作を進めてみて、回答として出力される「最適解」を事前に確認することができます。

  • イレギュラーを見つける
    訓練として使ってみると、「このケースの判断基準が自社マニュアルに載っていない」という欠落が必ず見つかります。その気付きを、そのままDifyのナレッジに追記することで、作りっぱなしの書類からイレギュラーの少ないBCPと変わります。

一度も使ったことがないマニュアルや方針を、有事に使いこなすことは不可能です。
有事にイレギュラーが発生することは免れませんが、数を減らすことはできるかと思います。
定期的にDifyに触れ、選択肢を選んで回答を得るプロセスを予習しておくことで、この積み重ねが万が一の際の事業継続の可能性を上げられます。


訓練実施:有事発生にAIをどう活かせるか

例えば、地震発生時に社員が以下のような問いかけをした場面を想定します。

社員の問いかけ:
震度6強の地震が発生。オフィスでPCが数台破損しました。お客様への納期遅延連絡はどうすべきですか?また、情報漏洩の観点で注意点はありますか?

**AIチャットボット回答:
**1. 自社マニュアルに基づく即時アクション
規定に基づき、まずは貸与されているスマートフォンから『緊急連絡用連絡ツール』へ現状を報告してください。顧客への第一報は、営業部マニュアル「様式C」にあるテンプレートを使用し、部長承認を得た上で送信してください。

2. 公的指針に基づくリスクアドバイス
内閣府の『事業継続ガイドライン』によれば、災害時の情報発信は「正確性」と「迅速性」のバランスが重要です。PC破損によるデータ紛失の可能性がある場合、現時点で断定的な回答(「データは無事です」等)は避け、調査中であることを誠実に伝えることが、後の信頼回復において推奨されています。

このように、「目の前の手続き」と「大局的な判断基準」を同時に提示することで、混乱下での二次被害を防ぎます。


構築:ナレッジをドラッグ&ドロップ

Difyを用いた構築に、高度なプログラミングスキルは不要です。既存のナレッジなどの資産を活かし、短期間で実装が完了します。

  1. 資料のインポート
    中小企業庁や内閣府の最新PDF、および自社のBCPマニュアルをDifyの「ナレッジ」画面にアップロードします。

  2. セグメンテーション(最適化)
    Difyが自動で文書を構造化し、AIが検索しやすい形に処理します。

  3. システムプロンプトの設定
    「あなたは企業のBCP対策本部の専任アドバイザーです。回答はまず自社マニュアルを優先し、一般的な推奨事項は公的資料に基づき論理的に提案してください」と役割を定義します。

Difyでのナレッジ活用方法についても解説しています。
基礎から応用まで網羅している内容となりますので、これからDifyでアプリを作成される方はぜひ一度ご覧ください。


▼GMO即レスAIのDify活用事例についてはこちら


応用:分岐型ワークフロー構築

マニュアルや事態の解決方法・対応方針を都度検索するだけでなく、現場の状況を選択肢から選ぶだけで「今、何をすべきか」をナビゲートする仕組みを「ワークフロー」で実現します。発災直後の数分間はパニックに陥りやすく、冷静な判断が困難です。そこで、ワークフローで選択肢を提示するAIが司令塔となり、現場担当者・社員をガイドします。

Yes/No形式のナビゲーション設計

Difyのワークフロー上で、以下のような選択肢(ブロック)を配置します。

  • ステップ1:災害種別の選択

  • [地震] [火災] [集中豪雨・洪水]

  • ステップ2:人的被害・建物状況の確認

  • [負傷者あり/なし] [倒壊の恐れあり/なし] [火災発生あり/なし]

  • ステップ3:インフラ状況の入力

  • [停電中] [断水] [通信途絶]

これらの選択に基づき、AIはTier 1(自社ルール)から直ちに行うべき応急処置を、Tier 2(公的指針)から二次災害防止の法的留意点を瞬時に組み合わせ、その場に最適な「指示書」を生成します。


おわりに

そもそも、日本中のビジネスマンの皆様は通常業務で日々多忙を極めているはずで、事業に向き合うだけで精一杯な中、いつ起こるかわからない有事に備えて、膨大なマニュアルを一から作り上げる猶予は、現実的にはないのではないでしょうか。

Difyを活用し、国の知見と現場を導く手順を統合することで**、リソースを最小限に抑えつつ、取引先からの信頼にも耐えうる、**本当に人が動けるBCP対策です。

「自社のマニュアルは薄いけれど、作り直す時間がない」 「有事に社員が適切に動けるか不安だが、教育まで手が回らない」

そんな企業様には、まずはこれら公的ガイドラインを読み込ませ、ワークフローを組んだDifyのデモ機を触ってみてください。AIツールの設計とAIとの対話により、組織の危機管理能力を、最小限のコストで構築することができます。

次のステップとして企業や所属組織でのDify活用、導入へ進まれる際にぜひ一度GMO即レスAIへご相談ください。

▼お問い合わせはこちら

GMO即レスAIでは、設計だけではなく自社でAI導入した現場のノウハウを基に、より具体的に御社の解決されたい課題や目的に合わせた目標設定や目標達成のご相談を承れます。
AIツールを単なる試験運用だけで終わらせず、事業継続率を最大化させるための運用支援を行っています。

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