Dify、n8n、 Gumloopの違いとは?AIアプリ構築ツール徹底比較
2025-12-23

ビジネスマンが生成AIを活用することがスタンダードとなりつつある今、より業務にマッチした用途でAIを使うためのAIアプリを構築するツールが数多く登場しています。
数多くのAIツールの中から、どれをとっても絶対の正解はないかと思いますが、自社の課題にフィットするのはどれか?と考えた時に、選択肢を絞ることができます。
本記事では、Dify導入支援の現場でよく比較検討される主要なサービスについて、それぞれの特性を整理しました。各ツールの強みを理解した上で、なぜ今多くの企業が開発・運用の基盤としてDifyを選んでいるのか、その理由を紐解いていきます。
AIツールを比較するうえで必要なこと
AIツールを選ぶ際、機能の多さに注目して比較していませんか?
AIツールの導入を成功させた組織や企業の特徴は、まずはじめに誰に向けて(Who)・どんな価値を届けるか(What)を明確にしたことが挙げられます。
しかしAIツールは千差万別で、それぞれ想定しているユーザーや得意とする解決策に違いがあります。だからこそ、ツールの機能を並べるだけでなく、それぞれのツールが持つ特徴や強みを見極めて比較することが、選定を進めるために必要なこととなります。
そこで本記事では、「Who(誰に)」と「What(何を)」という視点を軸に、代表的なツールとDifyの得意領域を比較・整理していきます。
1. ワークフロー自動化ツール(n8n, Gumloop)との比較
n8nやGumloopは、異なるアプリ同士をつなぐ「パイプライン処理」において非常に強力なツールです。
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n8n / Gumloop の得意領域:
「Gmailに来た請求書を自動で読み取り、スプレッドシートに転記して、Slackに通知する」といった、バックグラウンドでの定型業務の自動化に最適です。 -
Dify が選ばれるシーン:
処理の結果を人が見て、さらに質問を重ねたり、修正を指示したりする、人の責任範囲とAIの責任範囲を切り分けています。
Difyは標準で「チャット画面」が用意されているため、システム連携だけでなく、社員がAIアシスタントと会話しながら業務を進めるアプリを即座に提供できます。
【選び方のヒント】
完全に無人で動く裏側の仕組みを作りたいなら「n8n」。
社員や顧客が直接触れるAIアシスタントを作りたいなら「Dify」がスムーズです。
2. 大手プラットフォーム(Microsoft, Google)との比較
Microsoft 365を使っている企業にとって、Copilot Studioなどは非常に親和性の高い選択肢です。GoogleのGoogle Workspace Studioも同様に、Googleサービス内でシナジー効果が高く利用できます。
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Microsoft / Google の得意領域:
WordやExcel、Teamsといった自社製品とのシームレスな連携です。セキュリティ設定も既存のアカウント管理と統合できるため、導入のハードルが低いのが魅力です。 -
Dify が選ばれるシーン:
コストパフォーマンスと精度の最適化を追求したいシーンです。
AIモデルの進化は非常に速く、月ごとに賢いモデル、安いモデルのトレンドが変わります。Difyは特定のベンダーに依存せず、OpenAI、Anthropic(Claude)、Google(Gemini)、OSSモデルなどを自由に切り替えられます。「難易度の高い推論はClaude 4で、単純作業は安価なGPT-4o miniで」といった使い分けができる柔軟性が強みです。
【選び方のヒント】
特定の経済圏(Microsoft等)で完結させるなら純正ツールを利用するよ良いでしょう。
常に最新・最適なAIモデルを適材適所で使い分けたいなら「Dify」が適しています。
3. AIロジック構築・プロトタイピングツール(Flowise)との比較
Flowiseはエンジニアだけでなく、非エンジニアでも直感的に使えるAI開発プラットフォームです。
Flowise の得意領域**:**
本来はコードを書く必要がある複雑な開発を、視覚的な操作だけで実現できる点です。
どんな手順でAIを動かすかというロジックを、画面上で線を繋ぎながら設計できるため、技術的な検証や高度なプロトタイピングに適しています。
現場へ導入した後の改善を行うために詳細なログ分析や評価を行う際は、LangSmithやLangFuseといった外部の分析専用ツールと連携して拡張するのが一般的です。
Dify が選ばれるシーン**:**
外部ツールを追加契約・設定することなく、開発から運用改善まで完結させたいシーンです。 Difyはログ機能、ユーザー評価収集、そしてアノテーション機能が標準で内蔵されています。ご回答や修正したい要項を管理画面で直接直す一連の改善作業がDifyだけで完結するため、運用フローをシンプルに保ちたい企業に選ばれています。
【選び方のヒント】
外部ツールを自由に組み合わせて、最新技術の実験やロジック構築を深掘りしたいなら「Flowise」。 オールインワンで環境を整え、煩雑な連携設定なしにチームですぐに運用・改善を始めたいなら「Dify」が合理的です。
それぞれの比較まとめ 自社に合わせて最適なツールを選ぶ
ここまで3つの視点で比較してきましたが、これらは決して優劣をつけているわけではなく、解決したい課題に合わせて最適な選択をすることが重要です。
それぞれのツールの立ち位置と、Difyがカバーする領域の違いを以下の表にまとめました。
カテゴリ | 代表的なツール | 利用者 | 得意なこと |
ワークフロー自動化 | n8n、Gumloop | 情シス・バックエンドエンジニア | バックエンド処理・ツール間のデータ連携や、人の判断が不要な定型業務の自動化。 |
大手プラットフォーム | Microsoft Copilot、Google Workspace Studio | Microsoft・Googleユーザー | Office製品やGoogle Workspace内でのデータ活用と統一管理されたセキュリティ環境での利用ができる。 |
AIロジック構築・プロトタイピングツール | Flowise | 現場担当者全般 | 最新のAI技術や複雑なロジックを、コードに近い自由度で試作できる。 |
ノーコードAI基盤 | Dify | 現場担当者全般 | 社内データを活用したAIアシスタントの他様々なアプリを現場主導で開発・育成できる。Dify単体でPDCAを回せる。 |
Difyが注目される理由
各ツールそれぞれに優れた特徴がありますが、Difyが多くの企業でノーコードAIツールの基盤として採用される理由は、実用化に必要な要素がまとまっている点にあります。
1. RAG(データ検索)の実装が簡単
社内規定やマニュアルをAIに参照させる際、通常は複雑な設定が必要です。Difyならドキュメントをアップロードするだけで、AIが読める形に自動処理してくれます。この手軽さが、現場での活用を加速させます。
2. 融通の効く拡張性
クラウド版ですぐに始めることも、セキュリティポリシーに合わせて自社のサーバー(AWSやオンプレミス)に構築することも可能です。オープンソースであるため、将来的に特定のベンダーにロックインされるリスクも回避できます。
3. 作って終わりにしない
AIアプリは作ってからが本番です。Difyはユーザーがどう使ったか、どこで間違えたかを分析し、精度を高めていくための機能(LLMOps)が設計思想の中心にあります。これが、長期的な運用における大きな安心材料となります。
具体的には運用担当者がPDCAを回すための機能が装備されています。
会話ログの可視化:
チャット履歴を全て閲覧できるだけでなく、ユーザーが押した評価ボタンの結果をフィルタして閲覧できます。AIがどこで間違えたかを一目で特定できるため、改善ポイントを探す手間がかかりません。
アノテーション機能を用いた修正:
AIが誤った回答をしても、管理画面上で「こちらの回答が正解」と正しい文章を登録するだけで、次回からAIはその正解を参照して回答するようになります。新人に仕事を教えるように、現場担当者がAIと二人三脚で改善することができます。
おわりに
特定の業務(例:採用管理やSNS運用)だけを自動化したい場合は、その領域に特化したSaaSを選ぶのも賢い選択です。
しかし、自社の独自データを活かして、業務にフィットしたAIアシスタントを作りたい、AIツールを専門的に対応するような属人的な業務を作らず各部署がAIツールを自発的に開発するようになってほしい、とお考えであればバランスと柔軟性に優れたDifyが、最も頼れるパートナーになるはずです。
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