相談から確認へ。約500件のナレッジとセキュアなAI環境で、職員の問い合わせ対応を変えた|熊本県商工会連合会
熊本県商工会連合会様
熊本県商工会連合会様は、「商工会法」に基づいて設立された認可法人であり、熊本県内各地の商工会を会員とする組織です。県内各地の商工会を統括・指導する立場として、広域的かつ専門的な経営課題への支援や、商工会職員の資質向上のための研修などを担っています。
連合会職員:38名

課題
- わからないことは担当者へ直接たずねることが多く、電話1件で30分〜1時間かかるなど、担当者の通常業務の負担になっていた
- 業務ごとに必要となる知識が異なり、各職員が培ったナレッジが組織内で十分に共有されていなかった
- 人事異動後や総会前など特定の期間に、同じような問い合わせが繰り返し発生していた
- 職員が個人アカウントでChatGPT等を業務利用する「シャドーAI」のセキュリティリスクがあり、私用と公用を区分する必要があった
効果
- 担当者への直接連絡が格段に減り、1日3〜4件の問い合わせがGMO即レスAIによって解決されるようになった
- 「相談ベース」から「これで合っていますか」という「確認ベース(Yes/No回答)」に変わり、有人対応の時間が短縮された
- 回答に参照元(出典)が表示されるため、担当者が書類を探す時間も短縮された
- セキュアなAI環境でシャドーAIのリスクを解消し、未回答をレポートで把握してナレッジへ戻す改善サイクルが回り始めた
属人化した問い合わせ対応や、職員個人によるAI利用のセキュリティに課題を感じていませんか?組織としてAIを整備し、問い合わせ対応のあり方を変えた事例をご覧ください。
GMO即レスAIの導入事例集では、課題を解決した企業・団体の事例を多数ご紹介しています。
熊本県商工会連合会について
熊本県商工会連合会は、特別の法律である「商工会法」に基づいて設立された認可法人であり、熊本県内各地の商工会を会員とする組織です。
各地域の商工会は、業種を問わず地域の事業者が会員となり、国や県の小規模企業施策を担う実施機関としての側面と、地域経済の発展を目指す総合経済団体としての側面を併せ持っています。
各地の商工会には経営指導員や経営支援員が常駐しており、窓口相談や事業所への巡回相談を通じて、主として地域の小規模事業者や中小企業の経営全般を支えています。
熊本県商工会連合会は、こうした県内各地の商工会を統括・指導する立場として、広域的かつ専門的な経営課題への支援や、商工会職員の資質向上のための研修などを担っています。
職員一人ひとりが扱う相談内容は経営全般にわたって幅広く、対応の効率化とナレッジの共有が組織的なテーマとなっていました。
そうしたなか、職員からの会内問い合わせに答える、親しみやすいアイコンを冠したAIチャットボット「MANA」として、GMO即レスAIをグループウェア内に導入いただきました。

個人に蓄積されがちだった問い合わせ対応を約500件のナレッジに集約し、「相談ベース」から「確認ベース」へ。さらに、誰が使っても情報が外に出ないセキュアなAI環境を組織として整えることで、シャドーAIのリスクにも向き合っています。
今回は、情報・セキュリティとシステム開発を担当されている山﨑さまに、導入の背景から効果、今後の展望までを伺いました。
導入背景
GMO即レスAIを導入したきっかけを教えてください
きっかけは「一次受付が欲しい」という率直な思いでした。わからないことがあると、まず担当者に聞いて回答をもらえばいい。そうした流れが自然と定着していたんです。担当者も自分の業務を抱えながら問い合わせに対応しているので、だんだん手が回りきらなくなっていました。
もう一つは、業務ごとに知識が分かれていて、どうしても個人に蓄積されやすい構造だったこと。それぞれの職員が問い合わせ対応の中で培ってきた知識やデータが、組織の中で十分に共有しきれていなかったんです。誰でも同じように答えられる状態には、まだなっていませんでした。

セキュリティ面での課題もあったと伺いました
ありました。AIが出始めた頃は、無料で使えることもあって一気に広まりましたよね。その中で、本来は入れるべきでない情報が個人のアカウントに入ってしまうリスクもあって、私自身も気にかけていました。全国的にも話題になっていた時期です。
私が今の担当になったとき、AIに求めるものが二つありました。一つは、これまで蓄積したナレッジをちゃんと活かせるチャットボットであること。もう一つは、セキュリティに詳しくない人が何にどう使っても、入力したデータが外に出ないAIであること。この二つを満たすのが、GMO即レスAIだったんです。
お金を職員個人にかけさせるのではなく、安心して組織として横断的に使えるAIを用意する。そこまでできて、入れてよかったと思っています。
導入後の変化
実際に導入してみて、どのような変化がありましたか?
「こんなAIチャットボットがありますよ」と案内して運用を始めたら、担当者への直接の連絡自体がだいぶなくなりました。特に効果が大きかったのはマニュアル類です。熊本県商工会連合会は人事異動が定期的に行われるため、異動の後に「何を提出すればいいのか」「どの様式を渡すのか」といった質問が多い。そこがGMO即レスAIで解決できるようになりました。
導入後の変化については、利用状況を継続的に確認しています。「解決しました」と回答してくださる方が1日に3〜4件はいて、これは本来問い合わせが来るはずだった分です。その分、担当者の負担は確実に減っています。
「相談ベース」から「確認ベース」へ。有人対応の時間も短縮
大きく変わりました。これまでは1から調べる「相談ベース」だったのが、「AIはこう言っていたんですけど、これで合っていますか」という確認ベースに変わったんです。担当者は「合っています」か「それはちょっと違って」のどちらかを返せばいい。Yes/Noで答えられるので、対応がかなり楽になりました。だいたいYesの方が多いので、「はい、大丈夫です」でその問い合わせは終了です。
電話の問い合わせは、気づいたら30分過ぎているんです。過去の事例を調べる裏の作業だけで30分から1時間はかかるので、1日に何件も積み上がると相当な工数になっていたと思います。問い合わせ対応は、正直それ自体が何かを生み出すわけではないので、ここを短くできた意味は大きいですね。
約500件のナレッジと出典表示。「揺らぎ」はプロンプトで吸収
GMO即レスAIは回答するとき、「どの文章を見て答えているか」という参照元も出してくれます。だから「これにはこう書いてありました」と教えてもらえる。規程類だけでも分厚いものが何冊もあって、規程もあれば手引きも指針もある、という状態なので、どこに書いてあったかを探す時間がかなり短くなりました。
導入にあたっては、職員それぞれが持っているデータを全部もらって、ナレッジに入れていきました。今は約500件ほど保存しています。
(※記事中のナレッジ件数は取材時点のものです。運用にあわせて随時整理しており、件数は変動します。)
最初は、誤回答を減らそうとして「まったく同じ文言で探してほしい」という設定にしていました。ところが聞く人によって入力する文字の揺らぎが大きい。たとえば同じことを「処置方法」で調べる人と「対応方法」で調べる人がいて、それで回答が変わってしまう。そこをプロンプト側で、揺らぎも含めて拾えるように調整したら、かなり収まってきました。キーワードで完全一致を狙うより、似た事例から引っ張ってくれる今のやり方の方が、合っていますね。
業務の中で、ほかに変化したことはありますか?
レポート※を見ると、公開初月の4月をピークに問い合わせ件数そのものは5月以降落ち着く一方で、一人あたりのやり取りの往復回数は増え、回答できない「未回答率」も下がっていました。もともとAIに積極的だった人たちが、じっくり深く使ってくれているのだと思います。逆に、AIを使うことに抵抗がある人たちにどうアプローチするかが、今後の課題ですね。
そして、解決できなかった質問をレポートでまとめていただけるのもありがたくて。それを見て、「こんな質問が来ていましたよ」と各担当に投げる。担当から答えをもらえたら、それをまたナレッジに入れる。これをぐるぐる繰り返しています。解決できなかったところが埋まっていく効果は、すごく大きいです。
※GMO即レスAIでは定期的なミーティングでレポートのご提供が可能です。
山﨑さまご自身の活用 ── マニュアルと規程の「サブチェック」
私自身、AIには趣味から入ったんです。最初は本当に興味だけで、イラストを作ったり音楽を作ったり。それがいつの間にか業務に転用されて、スライドを作るAIを連合会で試してみたり、というところまで来ました。
GMO即レスAIは、自分が不安に感じるところのチェックに使っています。たとえばマニュアルです。最近は新しく入る職員が増えていて、指導に手が回りきらない場面もあり、「マニュアルを見てやってね」という案内が増えました。だからこそ、そのマニュアルがしっかりしていないと困る。自分が作ったマニュアルをAIに読み込ませて、わからない人になりきって「ここはどうしたら?」と聞いてみます。ちゃんと回答が返ってくれば、これはわからない人が見ても通じるマニュアルだと判断できます。
規程の「解釈の揺らぎ」チェックにも使っています。規程はどうしても自由に解釈できてしまう余地があって、こちらが想定していない読み方をされないか不安になる。そこで「こういう変な解釈はできますか」とAIに聞いてみる。「できません」と返ってくるか、「それも大丈夫だと思います」と返ってくるかで、解釈が広がりすぎていないかを確かめられる。意図しない解釈が回答されると、規程違反につながりかねないので、このサブチェックはかなり助かっています。
組織への展開とAI推進
組織内へのAIの展開で工夫している点はありますか?
熊本県内をブロックに分けて、拠点ごとに集まっていただいて、勉強会を回らせてもらっています。うちで作ったAIのガイドラインに沿って運用してくださいという説明と、それを満たすためにGMO即レスAIを使ってくださいね、という案内です。思ったより呼んでいただける機会が多くて、今年度に入ってからもう4ブロックほど回り終えました。全箇所回れそうです。
ただ、年齢層は幅広く、PC操作に慣れていない職員もいて。「わからないことはAIに聞く」というスタンスに、まだ行きついていない人もいるんです。親しみやすいアイコン(MANA)も用意して問いかけやすくはしているのですが、そこまで到達してもらうのがまず課題ですね。AIは食わず嫌いと一緒で、一口食べてみないとおいしさはわからない。「怖くないんですよ」とお伝えしつつ、私はセキュリティ側の人間でもあるので「これはやめておきましょうね」とお伝えしながら推進する。やりがいのある立場で取り組んでいます。
AI推進の担当者は、どのような基準で選ばれているのでしょうか?

「パソコンが得意だから」「システム業務を持っているから」で選ぶと、実は判断を誤りがちかなと。それよりも、AIに興味津々で、自分で遊べる・試せる人の方が向いています。むしろPC操作が苦手でも、苦手な部分をAIにまかなわせられる人の方が、組織としてはよっぽど強い。「推進担当よろしく」とただ渡されると潰れてしまうので、日頃からAIを面白がってやれる人かどうか。そこが一番のポイントだと思います。
今後の展望
今後、GMO即レスAIをどのように活用していきたいですか?
チャットボットとして、その場で解決できるのが一番です。それに加えて、アシスタント機能に期待しています。プロンプトを自分で作って、会話次第で起動できるのがGMO即レスAIの面白いところです。書類業務がとにかく多いので、プロンプトを起動してデータを入れるだけで決まったフォーマットで出力される、それをみんなが横並びで使える、というところまで持っていきたい。そうすれば雑多な業務はほとんど手間をかけずに終わって、本来注力すべき事業者支援に力を回せます。
商工会は、人と人とのつながりが価値です。どれだけAIが高精度になっても、相談する相手はやっぱり人間の方が話しやすいし、提案もできる。だから機械で代用できる業務はAIに圧縮してもらって、人にしかできない経営支援に集中できる環境を作りたい。それができると、商工会の存在意義も、もっとはっきりすると思っています。
この課題は、実は全国のいろいろな方や組織が共通して困っているところでもあります。「AIはこういう使い方ができて、安全に運用できるんだよ」というのを、幅広く知ってもらえるといいなと。AIに懐疑的な方にも、安心して使ってもらえるようになるといいですね。
GMO即レスAIへ期待されることがあれば教えてください
私たちにとって一番の強みは、セキュリティを担保できることでした。一般的なAIシステムだと難しいと思うのですが、GMO即レスAIとは個別にやり取りしながら、内部の情報をうちで保持する状態を作っていただけた。これは本当に大きかったです。
アップデートの頻度が高いのも、印象に残っています。以前「これはできないでしょうか」と相談していた機能が、数か月後にはできるようになっていて。「できませんよ」と言っていたものが「できましたよ」に変わったときは驚きました。世の中にいろいろなAIが出てくる中で、拡張性が高いというのは、選ぶ側にとってかなり重要なポイントだと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は、GMO即レスAIを導入いただいた熊本県商工会連合会の山﨑さまにお話を伺いました。
個人に蓄積されがちだった問い合わせ対応を約500件のナレッジに集約し、「相談ベース」から「確認ベース」へ。さらに、誰が使っても安全なAI環境を組織として用意することで、シャドーAIのリスクにも向き合う。問い合わせ削減にとどまらず、未回答をレポートで拾ってナレッジを修正する改善サイクルまで回している点は、これから所属組織でAI活用を進める方の参考になるはずです。
GMO即レスAIでは、自社のサービスでAIチャットボットの導入・運用をしてきたメンバーが、AIチャットボット活用のサポートをしています。実績に基づいたノウハウとともに伴走しながら、AIチャットボットをどう導入するか、ナレッジをどう整えるかを、実態に合わせてご提案します。
また、サービスの詳細をまとめた資料をご用意しています。AI導入の検討にお役立てください。
みなさまからの導入事例集のダウンロードや、説明会のご予約もお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。